電子レンジ

京都在住。MUSICAライターになれなかった男が創作したりレビューを書いたり

ギルド/BUMP OF CHIKEN

4月。連休初日の土曜は暖かい陽気で、車窓から眺める空は青い。休日と記念日の天候として問題はない。問題は複雑な思いとは裏腹に無機質に式場に運ばれている自分の体。迷ったあげく「出席」に○をつけた。体調不良、仕事のトラブル、身内の不幸以外で行けな…

空っぽ/SPECIAL OTHERS & キヨサク(from MONGOL800)

「あの、転職決まったんで辞めたいんです。お世話になったのに申し訳ありません。」「うん、わかった。もう決めたことなんだよな。今後のことは明日話そうか。」「はい、迷惑ばっかですみません。あの、ずっと聞きたかったんですけど、先輩はなんで・・・」…

番外編-私の一人暮らし

僕が一人暮らしを始めたのは、一般的には遅い28歳の時だ。それまでは実家の布団が何よりも大好きで、週末の爆睡眠を楽しみに生きていたのだけど、出張でホテル暮らしが続いたことや、週末になると彼女の家に入り浸ること、これは実家でなくても生きていける…

BABY BABY/銀杏BOYZ

GOING STEADY、通称ゴイステと呼ばれるバンドがあった。初めて聴いたのは2000年頃。友達に録音してもらった赤色のMDに詰め込まれたゴイステのアルバムを繰り返し聴いていたことを今でも思い出せる。特に「STAND BY ME」という曲のイントロのベースラインに憧…

ハローグッバイ/かりゆし58

始発が走り出す前、駅の駐輪場で煙草に火をつける。煙が目にしみると同時に忘れていた眠気が姿を現す。煙草を吸い込んで、白い息と共に吐き出すけ煙がいいね。なんて、カッコつけたことを言いながら。さっきまで話し尽くした話題を持ち返して、乾いた声で笑…

愛を両手に/ACIDMAN

結成20周年、デビュー15周年を記念するフェスも終え、確立したACIDMANというバンドの、これからが楽しみでならない。思い返せばデビュー時の1曲入りシングル3枚から、うちにあるイメージを音楽という形に変え、打ち出していく、そんな表現者の側面を感じてい…

ヒューマン/WANIMA

終わりの無い道のりに、答えられないことばかり。シンプルな言葉に韻を重ねているだけなのに、こんなに芯に響くのものか。多くのリスナーに愛され、スポットライトを浴びてる彼らも理想と現実の狭間でもがいているのだろうか。いわゆる共感を求める歌でも、…

線香花火/ガガガSP

線香花火という曲がある。ガガガSPの代表曲のひとつだ。 線香花火の消えゆく様と夏の終わりを重ね、終わりを経験することにより、誰も止めることの出来ないオトナへの道を進み、振り返り、通り過ぎてきたいつかの夏を思う。そんな曲だ。 個人的にたまに口ず…

太陽4号/10-FEET

過去に向けて問うのはでなく、未来に望むのでもなく、ただ「今」を歌う。 例えば、苦手だったお酒がささやかな安らぎに変わり始めているその頃の、始まりの、ほんの数十秒。頭からため息から滲み出た、名前のつけがたい感情。その感情に名前をつけるとすれば…

■ANOTHER STARTING LINE/Hi-STANDARD

2000年発売の「Love Is A Battlefield」から約16年ぶりのシングル。ゲリラ発売で音楽ファンに驚きと喜びを与え、思わずニヤリとしてしまうような嬉しい瞬間とニュースを提供する悪い言い方をするのであればヤリ口は流石だなあと感じざるをえない。多くの人達…