電子レンジ

京都在住。MUSICAライターになれなかった男が創作したりレビューを書いたり

愛を両手に/ACIDMAN

結成20周年、デビュー15周年を記念するフェスも終え、確立したACIDMANというバンドの、これからが楽しみでならない。思い返せばデビュー時の1曲入りシングル3枚から、うちにあるイメージを音楽という形に変え、打ち出していく、そんな表現者の側面を感じていた。その結果、これまでにも曲に色を表現するような、浮遊感を感じるような感覚を音楽という形で与え続けてくれ、時に景色を想像させてくれた。


それは確実にアウトプットを心がけた結果だと思うし、その道のりはこんこんと自身と向き合うことは不可欠であり、自分自身を削り取るような、決して平坦な道ではなかったろうと思う。アルバムを創る度に解散を考えるほどであったというエピソードもあるほどだ。


2017年12月13日にリリースする、ニューアルバム『Λ(ラムダ)』の収録楽曲のうち、最後を飾る「愛を両手に」はそんな表現者の側面と、感情を乗せた楽曲であると思う。中心となるアルペジオがカラカラと映写機が回るように、自分自身の記憶を思い返すような不思議な気持ちになる。確実に人の感情を動かすレベルになっていることに驚きを隠せない。


間接的にもデビューからACIDMANを聴き続けたこともあり、ある種の親近感を勝手に覚えつつ、これからも共に楽曲の進化と共に生きていきたい。